「稜ちゃん、犯人逮捕にご協力いただき、ありがとうございました」 「いや、俺は当然のことをしたまでで……」 「……由稀」 これは許しちゃダメよね。 好きな人ができた時にでも、ストーキング行為や盗撮なんてしないように姉の私が教えておかなくちゃ。 「ちょっとそこに座ろうか」 「ち…、ちーちゃん……?」 素直に従い、すごすごと目の前に座った由稀は怯えたように上目遣いに私を見上げる。 …私には効かないんだからね。