「これで帰れるー………」 心底疲れたような声を出した。 …というか、ほんとに心底疲れたもん。 私の名前は鮎川千夏(アユカワチナツ)。 高校2年生。 青春を謳歌している…とは言い難い日々を送っている。 「お疲れさま。 …しかし、そんなに疲れるかね?」 「疲れますよ。疲れますとも。 私はまだゆっくり休める立場じゃないんだから」 「まぁ千夏の場合はそーゆーことか」 前の席で頷いているのは、親友の海野瑠璃(ウミノルリ)。