「コハルちゃんが食べたいなーって思うモン、オレがすぐ見つけて持って来てやるから。

晴弥には、そういうマメさは…ねぇな」

タツは、ヒヒッと笑うと

パフェの一番上のアイスをひとすくいしたスプーンを、晴弥に手渡した。

それを渡され、困惑の表情の晴弥。






「じゃ。オレ仕事行って来まーす。ちょうど晴弥と入れ替わりの仕事あんの」

えっ?

タツは、チャッと敬礼の真似をすると、私に軽くウインクして

…食堂を出て行った。








取り残された、微妙な雰囲気の晴弥と私。

タツ…

もしかして、わざとぉ?

優しいというか、唐突というか。







晴弥を見ると、スプーンを見つめ黙っていた。

「…あのぉ」

もう一回謝っとこーかなって思った時だった。

「…食う?」

えっ?

晴弥は驚いて『え』の口になったままの私に、ストロベリーアイスの乗ったスプーンを

…突っ込んだ。