うー…

お腹空いた…。

さっきから、キュルキュル鳴ってる私のお腹。

ここにミニチュアケーキのマグネットがあるけど、食べたくなるぐらいリアル。

…おいしそぉ。

思わず手に取ると、タツのセットを終えたヘアメイクさんに話しかけられた。

「それ、欲しいならあげる」

いや…

お腹空いてるだけで…とは言えず、とりあえず首を横に振る。





彼女は、私の顔をじっと覗き込む。

「デビューはいつなの?」

…はい?

デビュー。

え、高校デビュー?

まだできてないかな…あはは。

思わず愛想笑い。







「いや~ん、カワイイッ!」

…へ!?

彼女は私の髪や服をペタペタ触って、かなり興奮ぎみ。

「ちょ…とぉ、やめて下さいー」

「タツ~、この子のデビューいつなの?私が担当したいわ~っ」

「デビュー?」

ゲームに夢中のタツ、彼女を振り返って…事態を把握。

ニッと笑うと、とんでもない事を言い出した。