「はっ……晴弥がそう言うなら。どうですか? みなさん」


社長は、自分に言い聞かせるように何度も頷き、そこにいる全員に、確認していた。


「は~いっ! オレ、大賛成っ。

あの子しかいないと思いま~す。

晴弥の言うように、曲のイメージにピッタリ!」


そう言ったのは、タツだった。


片手をあげ、笑顔で社長にそう言ってくれていた。






「じゃあ……オーディションは、中止します。意義ある方」


社長は渋々、そう言っているように見えた。