「できれば……こっちに、いたいかな」


やっぱり……そう、だよね。


シュンとなる私の頭を、前に立っていた晴弥が軽く抱きしめる。


「でもさ、1年……ずっとブータンに会いたかった。

小さい頃、思い出したな。会いたくても会えない。遠い存在」


それは……


私が、ずっと晴弥に抱いていた感情だよ。


そして……これからも、多分そうなると思う。


「今まで、写真でしか見たコトなかった子がさ、目の前にいて……

こーやって、まさか触れられるなんてとか、思わねーし」


「私も! 晴弥がまさか、私の前に現れるとか、思わなかった!」


「ヘンだよな、お互い、そーだったって……」