「お見舞来てくれてありがとな。もう……ここに来るコト、ないからさ」


「えぇっ? どういう……コト?」


「ん? もうすぐ、退院」


「そうなの?」


「そ。こないだ大きな手術してさ、とりあえず経過見ながら、よければ退院させてもらえるって。

また悪くなってきたら入院かもしんないけど。ま、当分は家に戻れるみたいなコト言ってたな」


「そうなんだぁ~。晴弥、良かったね!」


「ま~な。でもさ……また入院するかもだし、油断はできねーかな」


「そーだね……。ねぇ、晴弥はやっぱりこっちに戻りたい? 1年仕事して、どうだった?」


晴弥とふたり、歩きながらしゃべって、病院の外野広くて大きな庭に出てくる。


立ち止まり、晴弥の顔を見上げた。