「まぁ…だから、いつもカメラや人がオレばっかに向いてるのもヤだったし、今はソロんなって、すげー楽。

その代わり、全部自分でやんなきゃなんないから、誰も頼れないし。たくさんいて楽しかったあの頃が、ちょっと懐かしい時もある」

晴弥にしては珍しく弱気な言葉。

もっと自信もって、オレってば凄いし、頂点に立って当たり前だろー、って天狗になってるのかと思った。

やっぱり晴弥は、外見だけじゃなく中身も素敵。

顔は二の次だよ。うん。

あ、でもやっぱ顔も大事。

「うんうん」

「今までの事務所がオレの仕事に圧力かけてんのも、メンバーが社長に掛け合って、止めてくれるように説得してくれてるみたいだし。あっちもまた2人追加して、新生clash結成するみてー」

ふーん。そうなんだ。

「新しく結成しても…晴弥がいないんなら、clashの応援しない」

「だろ?だから、こんなもん買うなって。昔のclashにすがんなよ、今のオレだけ…見てて」

晴弥の指が、今度は鼻じゃなくて…頬に伸びてくる。