新条さんのデスクを囲む
ようにして2人が立ってて、
あたしを見てる。


「おはよう、望月さん。
ちゃんと来たんだね」


「はぁ……」


目線で促されて、あたしは
デスク越しに新条さんの
正面に立った。


新条さんの態度は――特に
怒ってるようには見えない。

いつもどおり、にこやか。


厳しい顔でお説教されるのを
覚悟してたあたしはちょっと
拍子抜けしつつ、新条さんの
次の言葉を待ってると……。


「そんなに構えないでもいいよ。

昨日のことは、蓮と爽介
からだいたい聞いてる。

大変だったね」


「え――あ、まあ……」


大変と言われれば、そりゃ
大変だったけど。

あたし、被害者じゃなくて
どっちかってゆーと加害者
なんだけどな


そんないたわるみたいな
言い方されると、逆に申し
訳なくなっちゃう。


そんなあたしの考えを
察したのか、新条さんは
『ハハハ』と軽快に笑うと、


「まさかいきなり爽介に
部屋まで連れ込まれるとは
思わなかったろう?

いやぁ、無事でなによりだ」