「危なかった……」


俊平に全てのDVDをあげるのが惜しくなった俺は、メソ男に貸すことを思い付いた。


俊平と俺は女の好みがよく似ている。


だからこそ、俊平に俺のお気に入りのAVをやるわけにはいかなくて。


DVDが足りないと気付いたら、俊平は間違いなく俺の部屋を片っ端から探す。


いや、キレたら手のつけられないあいつのこと。


家の中をメチャクチャにするのは目に見えている。


幸い、俊平とメソ男に接点はない。


これで俺のお気に入りDVDが俊平に渡ることはない。




「……ヤベェ、俺って天才じゃん」


ポツリと呟いた時、前からカップルがイチャつきながら歩いてきた。