「……分かったよ」


僕がそう答えると、母さんは満足そうな表情を浮かべて寝室に戻っていった。


それを見届けると、僕は重い足取りで二階の部屋に向かった。


部屋に入り、制服姿のままベッドに横になる。


さっきまであんなに疲れていたのに。


母さんに龍馬のことがばれてしまった。



……今日はなかなか寝付けなそうだ。



「……バイト……やめないとかな……」


母さんにバイトしていることがバレるのは時間の問題で。


龍馬と一緒にいるところも見られている。



「また……ひとりぼっちに逆戻り……か」


あの頃に……


自由だったあの頃に戻りたい。


僕はポツリと呟くと、真っ暗な部屋の中でゆっくりと目を閉じた。