その瞬間、真っ暗だった玄関にパッと光が灯った。 「優、こんな時間まで何してたの?」 「母さん……起きてたんだ?」 寝室からパジャマ姿で出てきた母さんに気付いた僕は、思わず目を泳がせた。 「何をしてたのよ。一緒だった男の子は誰?」 「……やだな……母さん。僕、一人だったよ?」 龍馬のことを知られたくない。 その一心で僕は母さんに嘘をついた。