「わざわざ、ありがとう」 僕はヘルメットを龍馬に返して小さく頭を下げた。 「また絡まれて俺のせいになったらめんどくさい」 と言いながら、龍馬は僕を家まで送り届けてくれた。 シーンっと静まり返った住宅街に単車のエンジン音が響く。 「別に。その代わり、またゲームの相手しろよな」 「うん!じゃあ、また」 「おう」 僕は龍馬が見えなくなるまでブンブンっと手を振って見送った。