「何でそんな端っこに突っ立ってんの?座れば?」 「いや……どこに座ったらいいか分かんなくて」 「どこだっていいだろ?どこに座ろうがお前の好きにしろ」 部屋に入るなり、取り出した煙草に火を付ける龍馬。 その姿を見つめながら僕は溜息をついた。 どこに座るか、じゃなくてどこに座れるかが問題だった。 6畳ほどの部屋にギッシリと積み上げられている漫画本や雑誌。 床の上には洋服が散乱して足の踏み場もない。 ガラステーブルの上の灰皿には、煙草が溢れんばかりに押し込まれていた。