「……あの……ありがとうございました」
3人組が去った後、あたしはペコリと目の前のイケメンに頭を下げた。
「別に。たださ、この辺り物騒だし夜女一人で出歩くのやめたほうがいいかもよ」
「はい……あの……お名前は?」
「神谷龍馬(かみやりょうま)」
神谷龍馬っていうんだ……。
なんだか坂本龍馬みたいでカッコいい。
って、顔は今風のイケメンだけど。
「あの……神谷さんに何かお礼を……」
「いらない。つーか、龍馬でいいよ」
「じゃあ、えっと龍馬。お礼を……」
すると、何かひらめいた様子の龍馬はニッと笑った後あたしの耳にそっと手を添えた。