あいつ……もしかしてホモなのか?
男達に絡まれていた時に見せたメソ男のあの顔。
涙を零しながら「助けてください!」と叫んだあの声。
ヤベェ……マジ無理。
メソ男の潤んだ瞳を思い出すと、全身に鳥肌が立った。
「俺、男には興味ないから」
「へ?」
「確かにあいつは女みたいな顔してるけど、無理。絶対無理」
「龍馬、さっきから何か勘違いしてない?」
「メソ男、ホモなんだろ?」
「……あはははは!!優がホモなわけないよぉー!」
すると、美空はケラケラと楽しそうに笑いながら俺の背中を思いっきり叩いた。
バシンっという乾いた音とともに背中に訪れた強烈な痛み。
その痛みは息がとまるほどで。
「いってぇ……」
女って……こんなに力あるもんだっけ?
俺は未だに笑い続けている美空に気付かれないようにそっと背中を擦った。



