「とにかく、俺は不良じゃない。それだけはちゃんと覚えといて。つーかさ、何で美空はそんなに不良にこだわるわけ?お前、不良が好きなのか?」 美空の好みは案外コテコテのヤンキーだったりして。 「ううん、違う。あたしじゃないの」 すると、俺の予想に反して美空は首を左右に振る。 「じゃあ、誰?」 「優」 「……メソ男?!」 どうして今、あいつの名前が出るんだよ。 今は不良が好きか嫌いかの話を…… ってことは、まさかメソ男……。 あいつの名前が出た途端、急に背筋が冷たくなった。