すると美空は、全てを悟ったかのように一度大きく頷いた。
「やっぱり龍馬は不良だよ!!」
って、喧嘩した奴が不良なら男の大半は不良になっちまうじゃねぇか。
「何でそうなるんだよ。俺は喧嘩とかめんどくさいことは嫌いなの。殴られるのも痛いから嫌いだし、殴るのも痛いから嫌い。分かった?」
「じゃあ、どうしてそんなに棒読みなの?」
「あのなー、俺は暴走族にも入ってないし、武器も持ち歩いてないし、駅前で座り込んだりしないし、髪も染めてないし、ピアスも開けてないし、煙草も吸わないの。俺はそこらにいる普通の高校生です」
「それってピアスじゃないの?それに煙草も吸うでしょ?」
「まぁ、ピアスと煙草くらいは……ちょっとだけ」
俺は美空の的確な突っ込みに面食らった。



