昨日の夜コンビニになんていかなければよかった。
でも、ヤニ切れになったんだからしょうがない。
拳の傷は、相手の歯がぶつかった時にできた切り傷だった。
大したことがないから何も処置していなかった。
それを美空に見つかるなんて。
案外勘は働く方なのかもしれない。
「これ?猫に引っかかれたんだよ」
「嘘つかないで」
「別に嘘じゃないから」
「もし嘘だったら、針千本飲む?」
全てお見通しという表情の美空に嘘をつき通すのは不可能な気がして。
「ちょっとした喧嘩に巻き込まれただけだって。俺から仕掛けたわけじゃない」
針千本も飲めるわけがない。
俺は苦笑いを浮かべながら、白状した。



