「だって……みんな龍馬のこと見てるんだもん……」
「……はい?」
みんな?俺を見てる?
美空の言葉の意味が分からず首を傾げると、美空は俺のシャツをギュッと掴んだ。
「龍馬カッコいいから……ちょっとヤキモチ妬いちゃったの……」
「いやいやいや、ちょっと待て」
目を潤ませて上目遣いで見るなんてそりゃ反則だ。
しかも、シャツを掴んで。
この場所が校門前じゃなければ即効押し倒していたはず。
こういうこと、他の男にもやっているとしたら美空は罪な女だ。
……つーか、やってるとかありえない。
「美空ちゃん、頼むから俺を誘惑しないで?」
「別にゆ、ゆ、誘惑してるわけじゃないよ?!」
すると、美空は急に慌てだして俺のシャツからパッと手を離す。
「もしかして動揺してる?やっぱお前、可愛いな」
俺がクスッと笑うと、美空はさっきまでとは打って変わって恥ずかしそうに顔を真っ赤にして俯いた。



