【龍馬サイド】



「龍馬、お前帰んなくていいの?」


肩を揺すられ机からわずかに顔を上げる。


視線の先には俊平が立っていた。


昼休みに飯を食ってからずっと机に伏せて眠っていたからか、全身がダルく首にわずかな痛みが走る。


首を鳴らした後、背伸びしていると俊平が首を傾げた。


「お前、今日美空ちゃんって子を迎えに行く約束してたんじゃねぇの?」


「……は?」


今日……約束してた……


みそら……ちゃん?


……美空ちゃん。


美空。


「ヤベェ!美空迎えに行くんだった!!」


慌てて立ち上がった拍子で勢いよく机が倒れ、中からたくさんの雑誌が顔を出した。