こいつの頭をバットで殴れば、きっとこいつも俺も終わりだ。 こんな歯抜け野郎と一緒に共倒れになるなんて、人生最悪の汚点になる。 バットで頭をぶったたくのはやめておこう。 俺は手に持っていたバットを地面に放り投げると、座り込んでいる川上の肩に蹴りを入れた。 「今のはメソ男の分」 川上はその拍子で地面に倒れ込み、痛みに顔を歪めている。 「うっ……っ!!」 「これが美空の分」 倒れている川上の肩を踏みつけてグリグリと足をひねると、川上は「うっ……」と苦しげな声をあげた。