「中学受験に失敗したのは確かに僕が悪い。父さんが出ていったのも全部僕せいだって分かってる」


「優……何を言ってるの?」


「だからって母さんが僕の友達を切る権利なんてないだろ!!母さんは僕を恨んでるんだろ?!父さんを奪った僕を……」


中学も高校も、友達をつくらずにずっと耐え凌いできた。


休み時間は、読みたくもない本を読んで人に関心を持たないようにして自分を押し殺してきた。


それは自分への罰だと思っていたから。


中学受験に失敗して、家族をバラバラにしてしまったのは他でもない僕自身で。


だからずっと我慢してきた。


自分が犠牲になってでも、母さんだけは傷つけたくなかった。


母さんの言いつけは守ってきたし、勉強もした。


だけど、どんなにテストの点数が良くても一位をとっても母さんは笑ってくれなかった。


喜んでくれなかった。



僕はいつまで母さんに縛り付けられないといけないの?



……もう限界だ。


解放されることのない日々にはもううんざりなんだ。