その声は地響きがするかのように低くドスが効いていて。 「チッ。めんどくせぇー。帰ろうぜ?」 「こんな店二度とこねぇよ!」 ガラの悪い男達は舌打ちをすると、自動ドアを蹴飛ばして店から出ていった。 せっかく美空にいいところを見せられると思ったのに。 全部こいつに持っていかれてしまった。 「余計なことして……」 「あ?何か言ったか?」 思わず気持ちを声に出してしまった僕は慌てて口を覆った。