Black★Joker【完結】


それからしばらく、俺は待合室の椅子にぼんやりと座ったまま上の空でいた。


誰がメソ男をこんな目に合わせたのか、手に取る様に分かる。


川上以外にありえない。


元々メソ男と川上には何の接点もない。


メソ男が川上達のターゲットにされた理由は、間違いなく俺にある。


メソ男を自分の時給アップと焼き肉の為にバイトに引きこんだことが全ての間違いだったんだ。


いつもいつも自分のことばかり考えていて、人のことなんて二の次だった。


だから、バチがあたったんだ。



確かに最初は、メソ男に対して何の感情も抱いていなかった。


一つ年下で、ナヨナヨしててすぐにメソメソ泣く女だか男だか分かんない奴。


その程度のものだった。