「こんなところまで来て、どういうつもりなの?!」
おばさんはさっきまで泣いていたのかもしれない。
目の縁を赤く染めるおばさんに、俺は何も言えなかった。
「全身打撲に腕の骨折。あなたみたいな不良と関わったばかりに優は……――!!」
「……すいません。全部、俺のせいです」
椅子から立ち上がって頭を下げた時、パンっという音と同時に頬に鋭い痛みが走った。
「今後一切あの子に近付かないで!!病院にも来なくていいわ!!さっさと帰って!!」
おばさんはそう言うと、俺に背中を向けて歩き出した。
俺は小さくなっていくその背中にもう一度「……すいませんでした」と呟いた。



