Black★Joker【完結】


でも、メソ男の姿はどこにも見当たらない。


俺は駅前に単車を止めると、途方に暮れながら溜息を吐いた。


もしかしたら俺が心配しすぎているだけかもしれない。


あいつだって男だし、親に黙って外出することもあるだろう。


それをどうして俺が必死で探さなきゃいけねぇんだよ。


そうだ、落ち着いて考えればすぐに分かったことなんだ。



あいつは今頃、のんきに家に帰って………――


≪♪~♪~♪~~≫


すると、突然ポケットの中の携帯が激しい音を立てて鳴りだした。


ディスプレイには『美空』の名前が表示されている。