「あいつ、まさか……」 何かあったらすぐに連絡しろって言ったのに。 唇をギュッと噛み締めた時、おばさんは俺の肩を掴んで前後に揺らした。 「もしあの子に何かあったら……あなたを絶対に許さない!!」 「……分かってますから。俺、探してきます」 おばさんの手をすり抜けて頭を下げると、俺はヘルメットを被って単車に駆け寄った。 『絶対に許さない!!』か。 あの言葉、結構効いたな。 えぐられたように胸がズキズキと痛む。 俺はキーを差し込むと、勢いよくペダルを蹴った。