「ついてこいよ」 痺れを切らしたのか、金髪男はあたしの腕をガシッと掴む。 本気でヤバいかも。 危険な状況に、頭の中でサイレンが鳴り響く。 ……早く逃げなきゃ。 「離してください!!」 「騒ぐな。静かにしてれば悪くはしねぇから」 「……やっ!」 男の生暖かい息が耳元にかかり体がぶるっと震えあがる。 だけど、逃げようにも男に力で敵うわけない。 近くを歩いている人達は、「関係ない」という顔をしてあたし達の横を通り過ぎていく。