「おじゃまします」 玄関先でそう言ってみたけど、家の中には誰もいないみたい。 どの部屋も電気がつけられておらず、中は真っ暗だった。 「今日、お兄ちゃんはいないの?」 「いないみたいだな。でも、いることの方が少ないから」 「そっか。じゃあ、今日は二人っきりだね」 トントンっと階段を登って行きながら、一瞬ハッとした。 家の中で龍馬と二人っきり……。 部屋の中には龍馬とあたし。 ……って、それって……そういうことになるかも?!