20代の見るからにチャラチャラとした風貌の男達。
【この場所での喫煙は他のお客様のご迷惑になります。おやめください】
受付前にでかでかと掲げられている看板が目に入らないのか、男達は口から煙草の煙を吐き出した。
「悪い、ちょっと待ってて?……いらっしゃい、何名様?」
仕事モードに入ったのか、にこやかに接客する不良男。
でもすぐに雲行きが怪しくなった。
「3人」
「時間は?」
「……」
「だから時間は?それと機種」
「……テメェ、客に敬語遣えねぇのかよ?!」
客の男が受付を両手で叩いて大声を上げる。
僕は思わず体をビクッと震わせた。
「受付前での煙草は禁止です。他のお客様の迷惑になります」
「テメェ、なめてんのか?」
「悪いけど、今満室なの。帰って?」
「ハァ?ふざけてんじゃねぇよ!!」
表情一つ変えない不良男に、客の男が更に声を荒げる。



