でもその声にいつものような元気は感じられない。 龍馬はすぐに視線を足元に下げた。 すると、龍馬のお兄ちゃんは僕に視線を向けるとクスッと笑った。 「俺、こいつ連れて帰るから先帰って?」 「……でも……」 龍馬の怪我の具合が気になる。 こんなことになってしまったのは僕のせいだ……。 「ほら、いくぞ。さっさと歩け」 お兄ちゃんは龍馬の背中をバシッと力強く叩くと、先にスタスタと歩き始める。