「つーか君、名前は?」
僕の心配をよそに二人は全く関係のないお喋りを始めた。
それが僕にとっては少しありがたくもり、寂しくもあった。
「山内美空です!高校1年生です!!」
「美空か。可愛いねー」
「そんなことないですよー!あ、龍馬って何年生ですか?」
「2年。てか、敬語やめようぜ?」
「……はい!じゃなくて……うん!!」
「お前、ホント可愛いなー」
ニコニコと楽しそうに話す二人を横目に、僕は常に緊張状態を強いられていた。
何か余計なひと言を発すれば、この不良は黙っていないだろう。
昨日は胸ぐらを掴まれただけで済んだけど、今日は殴られる気がする。
いや、気がするじゃなくて絶対に殴られる。



