「もうあいつに手出すのやめてくんない?」 「嫌だって言ったらどうする……?」 クックと喉を鳴らして楽しそうに笑う川上。 「何発殴らせれば気が済むんだよ」 そう尋ねると川上の目が更に鋭くなった。 「あんな女みたいな奴がそんなに大切か?」 川上の拳がプルプルと震える。 「さぁね。俺にもよく分かんないんだわ」 そう答えたと同時に、頬に鈍い痛みが走った。