公園のちょうど真ん中辺りに人影がユラユラと揺れているのが見えた。
暗い公園の中に足を踏み入れると、俺に気付いた川上はニヤリと笑う。
「よう、意外に早かったな?」
「だろ?」
川上を含めた5人の男がメソ男の周りを取り囲んでいる。
俺は目だけを左右に動かして他に川上の仲間がいないか確認した。
でも、幸いなことに目に見える範囲にはこいつらしかいない。
5対1なら何とかなるかもな。
「本当に一人で来たのか?いい度胸だな?」
「お前らなんて一人で十分だから」
「そんなこといってられるのも今だけかもなぁ?」
川上が笑うと不快度が更に増す。
いくつか足りない前歯の間に空気が入って変な音がするから。
もちろん、見た目も最悪だ。
差し歯入れろ、バカ。



