【龍馬サイド】


「今日は悪かったな。今度、絶対埋め合わせするから」


「ううん、いいの。送ってくれてありがとう」


あーあ……美空、可愛すぎ。


あんなタイミングで電話がかかってくるなんて……運が悪すぎる。


でも今は、美空の無邪気な笑顔を見て心を和ませている場合じゃない。


「じゃあまたな」


俺は美空に片手を上げると、すぐさまペダルを蹴った。


エンジンは鋭い音をあげて走り出す。


タイヤを軋(きし)ませてバイクをくるっと方向転換させると、俺はメソ男達がいる公園目指して走り出した。