「お兄ちゃんって……やっぱり不良なの?」 あたしがそう聞くと龍馬はケラケラ笑った。 「不良とかそういう次元じゃない」 「じゃあ、ヤンキー?」 「それも違うね」 「じゃあ、何?」 「簡単に言うと、悪魔だな」 「悪魔……なはずないよ」 だって、あんなに柔らかい表情で微笑んだりできるんだもん。 あたしの頭をポンポンっと叩いたお兄ちゃんの手は温かくてとても優しかった。