「ちょっとくらい、いいだろ?なっ?」 さっきまで「暇してんなら」って言ってたじゃん! そう思っても、こんな状況で口に出せるわけない。 「あの、本当に急いでるんで……」 そう言いながらわずかに顔を上げると、会社帰りの若いサラリーマンと目が合った。 お願い……助けて!! でもそんな願いも虚しく、あたしと目が合うなりサラリーマンは露骨に目を反らした。