美空とは今まで通り一緒に学校に通っている。


美空は龍馬と僕の間に何が起こったのか、全部知っているようだ。


学校でもいつも以上に僕に気を遣って話しかけてくれる。


でもその話題は当たり障りのないものばかり。


龍馬の名前はお互いに絶対に口に出そうとしない。


あたかも暗黙のルールみたいに。



「……そろそろ帰らないとかな」


時計を見ると時計の針は20時を回ろうとしていた。


辺りが暗くなるのにも気付かないほど、僕はぼんやりとしながら歩きまわっていたようだ。