「ねぇ、龍馬って兄弟いるの?」 「いる」 辺りが暗くなっていることも忘れてあたしは龍馬とのお喋りを楽しんだ。 「本当に?!なんか意外だなぁ」 龍馬に兄弟がいるなんて知らなかった。 興味津々で身を乗り出すと、龍馬の表情が一瞬にして曇った。 「怖い怖いお兄様が一人いる」 「怖いお兄ちゃん?龍馬より怖いの?」 「半端じゃないね。俺なんて可愛いもんだ」 何かを思い出したのか、クスクス笑う龍馬。 「龍馬のお兄ちゃん、見てみたいなぁ……」 あたしがそう呟くと龍馬は「ダメ」とすぐにそれを拒んだ。