「これ以上、俺の可愛い美空を見世物にできないからな」
「……もう!何でそう言うことを平気で言うかなぁ……」
心臓が爆発しそうなほどドキドキさせられたのに、どうして龍馬は平然としていられるんだろう。
気持ちを揺さぶられて悔しさが募る。
龍馬の温かい手の平の感覚が未だに頬をジンジンと熱くさせる。
「俺、案外嫉妬深いみたいだ」
店を出ると龍馬はあたしの手に指を絡ませながらそう言った。
「どうしてそう思うの?」
「他の男が美空のこと見てると、ぶん殴りたくなるから」
「……喧嘩は嫌いなんでしょ?」
あたしがそう言うと、龍馬は「あぁ、そうだったわ」とシラッと気のない返事をした。



