Black★Joker【完結】


「ちょっ……龍馬!!」


頬に手を添えるのはセーフかもしれない。


キスをしているわけでも抱き合っているわけでもない。


だけど、龍馬は店の中にいる女の子達の視線を集めているわけで。


「恥ずかしいよ……」


「何が?」


「女の子達に見られてるの。さっきから視線が痛いもん」


小声でそう囁くと、龍馬は楽しそうにあたしに顔を近づけた。


少し動けば互いの唇がぶつかりあってしまいそうな距離。


横の席の女の子の「キャー!超うらやましい!!」という甲高い声で恥ずかしさが倍増する。


「りょ……うま……」


「女じゃない。男が美空のこと見てんだよ」


龍馬はそう囁くと、あたしの頬から手を離してスッと立ち上がった。