「ちょっ……龍馬!!」
頬に手を添えるのはセーフかもしれない。
キスをしているわけでも抱き合っているわけでもない。
だけど、龍馬は店の中にいる女の子達の視線を集めているわけで。
「恥ずかしいよ……」
「何が?」
「女の子達に見られてるの。さっきから視線が痛いもん」
小声でそう囁くと、龍馬は楽しそうにあたしに顔を近づけた。
少し動けば互いの唇がぶつかりあってしまいそうな距離。
横の席の女の子の「キャー!超うらやましい!!」という甲高い声で恥ずかしさが倍増する。
「りょ……うま……」
「女じゃない。男が美空のこと見てんだよ」
龍馬はそう囁くと、あたしの頬から手を離してスッと立ち上がった。



