「あたしの顔に何かついてる?」 「何にも」 「じゃあ何で見てるの?」 龍馬は口の端をクイッと持ち上げて嬉しそうに微笑む。 「俺、今最高に気分がいいわ」 「え?」 「周り見てみろって」 龍馬に従って周りをキョロキョロと見渡しても何も感じない。 龍馬に熱い眼差しを注いでいる女の子達以外は何も。 「分かんないよ」 あたしがそう答えると、龍馬は大きな手の平をあたしの頬に添えた。