「前も言ったと思うけど、俺は基本的に喧嘩はしない」 「……本当に?」 「本当。それに喧嘩した跡なんてどこにもないだろ?」 龍馬は自分の顔を指差してニコッと笑う。 その笑顔にドキッとしてしまったのは、あたしだけじゃないみたい。 「ねぇ、あの人カッコ良くない?」 隣に座っていた二人組の女の子が龍馬をチラチラと見て頬を赤らめている。 だけど本人は全く自覚していないみたい。 テーブルに頬杖をついて、あたしをジーッと見つめている。