「まったく……自分から電話かけてきたくせに」 でも龍馬の無事を確認できてホッとした。 龍馬にとってトラブルは日常茶飯事なんだろうけど、僕にとっては死活問題だ。 だけど……龍馬といると退屈しない。 龍馬は色々な世界を僕に見せてくれる。 「……ただいま」 だけど、家に帰れば僕の世界は小さくて息苦しいものになる。 玄関の扉を開けた瞬間、思わずハッと息を飲んだ。 「母さん……どうしたの?」 母さんは玄関先で腕を組んで僕を待ちかまえていた。