Black★Joker【完結】


「ねぇ、何か知らない?学校で変わったこととかない?」


「いえ、あたしは……」


「どんなことでもいいのよ。美空ちゃんにしかこんなこと聞けなくて」


優がバイトを始めたことは隠しておいた方がいいだろう。


優がおばさんに隠し事をするなんて。


何か理由があるに違いない。


だけどおばさんの質問攻めはなかなか止まらない。



すると、戻ってきたお母さんが


「はい」


とあたしの目の前にオレンジジュースの入ったグラスを置いた。


「ありがと」


お礼を言ってグラスを手に取る。


タイミング良くお母さんが来てくれてよかった……。



おばさんに対して負い目があるせいか、緊張で手の平に嫌な汗をかいてしまった。


あたしはカラカラに乾いていた口の中にオレンジジュースを流し込んだ。