「……?」 それは俺に向けられた叫びのようで。 「助けてください!!」 高校生に目を向けた俺は思わず顔を歪めた。 ポロポロと涙を流してすがる様な瞳で俺を見ている気弱そうな男。 その女々しい姿に全身に鳥肌が立った。 なんだこの女みたいな男は。 「お前泣いてる暇あんなら、早く逃げろよ」 「無理です……早く助けて……!」 「何だ、お前。俺を勝手に巻き込むな」 俺が突き放すと男は声を上げてワンワンと泣き出した。