「早く着きすぎちゃったかな」 5時半少し前に着く予定が5時ちょうどに着いてしまった。 でも遅刻するよりかは早く着いた方がずっといい。 僕は従業員専用という貼り紙のついた古びたドアをゆっくりと開けた。 「……っ」 その瞬間、扉の隙間から白い煙がフワッと流れて僕の体にぶつかった。 その煙を吐き出した主は、僕を見てニッと笑う。 「おー、メソ男。早いな」 龍馬は口にくわえていたまだ長い煙草を、テーブルの上の灰皿にグリグリと押し付けた。