「昨日、道でバッタリ会ったの。映画観に行ったりして……何となく流れで付き合うことになってさ」


「……そうなんだ。よかったね」


少しだけ照れ臭そうに話す美空。


流れでなんて言っているけど、僕は知っていたよ。


美空が龍馬のことを好きだって。


美空の全身からは幸せオーラが滲み出ていて。



僕は言葉とは裏腹に素直に喜べなかった。


「あたし、優に一番先に報告したかったんだ!!あたしにとって優はすごく大切な存在だから」


サラッと残酷なことを言う美空。


美空の大切な存在になれたのは嬉しい。


でも、美空は僕をいつだって幼馴染以上には見てくれないんだよね。


それでもいいと思っていたけど、やっぱり悲しいものだ。


僕は思わずギュッと唇を噛んだ。