「……りょ……うま……」 「やっと見つけた」 あたしの腕を掴んだのは龍馬だった。 額に汗をかいて少し呼吸が乱れている。 もしかして……あたしのことを探してくれていたの……? まさかそんな……だけど…… 「美空って、鈍くさそうに見えて案外足速いんだな」 龍馬はハァっと息を吐いた後、 「で、何で逃げたの?」 真っ直ぐにあたしの目を見た。